「十二国記」は、十二の国の異世界を舞台に、「麒麟」と「王」を中心に繰り広げられる、小野不由美さんが書かれた物語です。
2002年には、NHKでアニメとして放送されました。
「風の万里 黎明の空」では、現代の日本から十二国の世界に連れてこられた女子高生・中嶋陽子が、十二国の一つ、慶東国の王「景王」となり、王としてどうあるべきかを、悩みながら自分の答えをみつけていきます。
「良い国っていうのは、なんなんだろう」
「二人は、どういう生き方がしたい?」
「そのためにはどういう国であってほしい?」 (「十二国記」より引用)
「景王」陽子は、大木 鈴と、祥瓊(しょうけい)に尋ねます。
そして、「景王」陽子は、いろいろな経験をしながら、自分の答えを出していきます。
「他者に頭を下げさせて、それで己の地位を確認しなければ安心できない者のことなど私はしらない。
それよりも、人に頭を下げるたび壊れていくもののほうが問題だと私は思う。」
「人はね、景麒、真実相手に感謝し、心から尊敬の念を感じたときには、自然に頭が下がるものだ。
他者に対しては礼をもって接する。
そんなことは当たり前のことだし、するもしないも本人の品性の問題で、それ以上のことではないだろうと言っているんだ。」
「私は慶の民の誰もに王になってもらいたい。
地位でもって礼を強要し、他者を踏みにじることに慣れた者の末路は昇絋、呀峰の例を見るまでもなく明らかだろう。
そしてまた、踏みにじられることを受け入れた人々がたどる道も。
人は誰の奴隷でもない。
そんなことのために生まれるのじゃない。
他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正があれば糺すことを怖れず、けだものに媚びず、 私は慶の民にそんな不羈の民になってほしい。
己という領土を治める唯一無二の君主に。
そのためにまず、他者の前で毅然と頭をあげることから始めてほしい。
諸官は私に、 慶をどこに導くのだと訊いた。
これで答になるだろうか。
その証として伏礼を廃す。
これをもって初勅とする。」 (「十二国記」より引用)
日本も、「良い国っていうのは、なんなんだろう」 と、問う時期にきているような気がします。
才州国、「采王」黄姑が、自分か一番不幸せと思っている、大木 鈴に言った言葉も、とても心に響く言葉です。
「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分のものなんですよ。
人が幸せであるのは、その人が恵まれているからではなく、 ただその人の心のありようが幸せだからなのです。
苦痛を忘れる努力、幸せになろうとする努力、それだけが真に人を幸せにするのです。」
(「十二国記」より引用)
今日3月1日は、関東地方で、「春一番」が吹きました。2年ぶりの 「春一番」だそうです。
「春一番」になる条件というのがあり、その条件がそろわないと「春一番」が無い年になるそうです。
ちなみにその条件とは・・・・、
① 立春から春分までの期間
② 日本海に低気圧があること
③ 強い南寄りの風(風速8m/s以上)が吹き
④ 気温が上昇すること
・・・・をすべて満たすことが必要だそうです。